ろじかりずむ

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[PS2] 12RIVEN -the Ψcliminal of integral- プレイ日記 part3

何とかクリアしまして、感想を少し。
(少しだけネタバレしてます)

惜しいです。すごく惜しい作品です。
アイデアはいいと思うんです。ええ、すごく。
ただ、それを生かし切れていないように感じました。
もう少し時間をかけて練り直せば…と思います。

制作会社が潰れたりだとか問題山積みの中で、
作品を(一応の)完成まで持っていったのは確かにすごいです。
というかそれだけで既に充分すごいんです。
リリースすら諦めていたユーザーさんも多数いるでしょうし。
でも、市場に投入された時点でそれは一つの作品な訳ですから、
そこに事情や背景を理由にした妥協があってはならないわけです。
というわけで、他の多数の作品と変わらぬ観点で見てみますと、
やはり一作品として完成していない作品かなと感じました。

この作品は、「Ψ」と呼ばれるある種の超能力を中心とした、
幾分非現実的な話が展開されるアドベンチャーゲームです。
基本的には、登場人物のうち異なる2人の視点で話が進み、
プレイヤーはそれらを交互に追っていく、という形になります。

さて、こう言った、この世界での常識が通用しない世界観において、
私が非常に重要だと考えるのは「世界観の成立」です。
いくら現実とかけ離れていてもいいんです。
私たちの世界では「あり得ないよ…」と思う事がバンバン起こってもいい。
その世界の中で矛盾が起こっていなければ、それでいいと思っています。
つまり、その世界観が確固たるものとして存在し、かつそれが矛盾点を
内包していなければ、それは一つの世界として成立すると思うのです。

その点で、今回の「12RIVEN」には大きな問題がありました。
これが、一点目の問題点です。
つまり、「12RIVENでの世界」において矛盾が発生しているのです。
これがもっとも単純であり、かつ致命的な欠点だと言わざるを得ません。

例えば、今回の話には根底となるべきある事実が存在します。
この事実は、作中ではすでに確定的なモノとして取り扱われていますが、
実は確定的なモノではありません。時間的な問題を含む、非常に流動的な事実です。
したがって、これを確定的なモノとして捉えるのであれば、
まずはこの事実に関わるタイムパラドックスを解決する必要があります。
しかし、作中ではタイムパラドックスに関連する説明は何一つされていませんし、
あたかもこれは確定された事実であるかのように最初から話が進んでいます。
まずは、これが大きな矛盾であるように感じました。

また、「Ψ」の仕組みについても大きな疑問が残りました。
作品の中核となる「Ψ」の概念、仕様が確定されていないことは、
作品を理解する上で大変な障害となりました。というかまだ理解できてません。
何かこれらに関する情報がないかとビジュアル・ガイドブックと
オフィシャルコンプリートガイドも購入してみましたが、
上記の事柄についての具体的な説明や考察はありませんでした。
つまりは、詳細なところまで確定されていないと考えるのが妥当でしょう。
ある程度の謎を残して、その部分をユーザ側の想像に委ねるというのは
多くの作品で使われてきた技法ですが、今作ではそれがあまりにも空白が多すぎて
想像できません。さらに、どう想像したとしても矛盾が発生する事も多いです。
正常状態と乖離状態の閾値、自我世界(A世界)の共有性、
「Ψ」により発生させる事が可能となる現象の限界…などなど。
もう少し「Ψ」の概念を煮詰めて、それを作中に反映させるようにすれば、
ユーザ側ももっと世界に入りやすかったのではと思います。

さらに、作品全体のゲームとしての完成度があまりにも低いことも問題でしょう。
誤字脱字もありますが、何より目立つのはグラフィックでした。
塗りが甘かったり、構図がおかしいグラフィックが多数あります。
とにかく完成度にムラがあるのです。著しく興をそぐ事請け合いです。
さらに致命的なのは、作中で、これらのグラフィックを使った錯覚トリックを
使用している事です。トリック自体の発想は(少し不公平ながらも)許容できますが、
その根源となるべきグラフィックがそもそも成立していないのでは話になりません。
白紙の問題用紙を渡されたら、それが問題用紙である事に気づかないのと同じです。
本来ならばグラフィックから受け取るべき問題やヒントを受け取れないので、
解かなければいけない問題がある事が分かった時点で、別の部分から
間接的にヒントをもらってくるしかないからです。

と、挙げればキリがないほどに、問題点を多く抱えたゲームです。
根底となる発想やその対象には、個人的には非常に惹かれただけに、
それをうまくまとめられておらず、消化不良であった事が残念でなりません。
ただ、まったくの駄作というわけでもなく、細かい部分の整合性を気にせずに、
大まかな物語の流れや雰囲気を汲み取って楽しめる人にはお勧めです。
各アイデアやトリック、演出は非常に面白いモノが多いですし。
一方で、前述の理由により、細かい部分を気にする理論的(すぎる)方には、
ちょっと正直おすすめできないゲームかなと思いました。
私は後者でしたので、ちょっと消化不良な部分が最後まで気になりました…。

ちなみに、ビジュアル・ガイドブックとコンプリートガイドですが、
内容的にはやはりコンプリートガイドの方が詳しいです。
裏設定なども載っているので、クリア後に楽しむにはもってこいだと思います。
ただそれでも解けない謎が沢山あるんですけどね…。
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テーマ:ゲームプレイ日記 - ジャンル:ゲーム

[PS2] 12RIVEN -the Ψcliminal of integral- | コメント:7 | トラックバック:0 |
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この記事のコメント

〉ay様

ここ最近ずっと仕事が忙しく、返事が遅くなりましたことをまずはお詫び申し上げます。
申し訳ありませんでした。

ご指摘、ご教示いただいた内容についてはほぼ納得できました。
私の知識不足&理解不足が原因だったようですね。
申し訳ありませんでした。
(割りきり不足も少しありましたけどw)

長々とお付き合いくださり、ありがとうございました。
また何かありましたらご教示下さいませ。
よろしくお願い致します。
2008-06-17 Tue 19:24 | URL | HiDigger #0j6G4aFc[ 編集]
地球人類が歴史を体験するには、過去から順を追って体験するしかありません。
タイムマシンを使わなければ、過去より先に未来を体験することはできません。
だから、我々は、先に体験する過去が後に体験する未来を決めたように感じるのです。
しかし、過去が未来を決めようとも、未来が過去を決めようとも、
どちらにしても、我々は、過去を先に体験して未来を先に体験するから、
過去が未来を決めたように我々が感じることには変わりありません。
これは、過去が未来を決めたように感じる感覚からは、どちらがどちらを決めたか、
因果の方向性を推論することが不可能であることを示しています。

ニュートン力学に従って運動方程式を立てるとします。
その場合、式の係数が確定すれば、過去の状態も未来の状態も決まります。
式の係数が不定ならば、特定時刻の状態を代入すれば係数を確定させられます。
その結果、過去の状態から未来の状態を求めることもできるし、
未来の状態から過去の状態を求めることもできます。
このように、物理法則からも因果の方向性を推論することはできません。
(ただし、熱力学の第二法則のように時間不可逆な法則を除く)
2008-05-12 Mon 22:36 | URL | ay #mQop/nM.[ 編集]
1.因果律について

因果の方向性を問題にするならば、Ever17においても、
2034年の出来事(=武&ココ救出)を守るという動機に基づいて
2017年時点で計画が立てられており、逆方向の因果が発生しています。

厳密な科学考証をすると、熱力学の第二法則等の一部例外を除く
大部分の物理法則は時間可逆性を持っています。
一見して過去が未来を決めたように見えたとしても、
その逆に見えたとしても大部分の物理法則にとっては等価です。
因果律とは、未来と過去が一体不可分な存在であることを示しているのであって、
どちらがどちらを決めるかという方向性を示すものではありません。
因果律の破綻とは、過去と未来が分離することであって、
12RIVENのΨ能力による瞬間移動や超回復がそれに相当します。

時間旅行を認めない前提では因果に方向性があるように見えます。
しかし、厳密な科学考証においては、因果に方向性はありません。
時間旅行を許容することによって普段は見えなかった逆方向の因果が見えてきます。
過去への時間旅行が「未来から過去へは干渉」そのものなのだから、
時間旅行が可能という仮定には逆方向の因果も含まれています。
逆方向の因果を認めないなら、過去への時間旅行は不可能です。
だから、逆方向の因果へ疑問は、仮定の建て方への疑問であって、
時間旅行が可能という仮定を認めた上で生じるタイム・パラドックスとは全く別物です。

12RIVENでは物質的な時間旅行は発生しませんが、情報の時間旅行は発生します。
情報が過去へ戻れるなら、当然、逆方向の因果が目に見える存在となるのであって、
逆方向の因果の存在はタイム・パラドックスとはなりません。

2.A世界の有り様について

A世界については、その時々の説明によって、現世界とは別の現実となったり、
脳内シミュレーション=非現実となったりします。
その設定に無理があるのは間違いなく、それ自体が欠陥であると言えますが、
その時々によって都合の良い方を採用するという設定である以上、
考察を進める場合、都合の良い方に沿って進める必要があります。
「歴史の上書き」を論じる時は現実である方の設定となります。
これも、その時々の都合でコロコロ変わる設定に無理があるのであって、
タイム・パラドックスとは別の問題です。
尚、現世界とは別の現実である場合、それがどんな世界なのか
(パラレルワールドか?それとも別の何かなのか?)
については作品中に描写が無いので言及しようがありません。

3.科学考証について

A世界の歴史を現世界に上書きできるという設定はかなりデタラメです。
まじめに科学的考証するとツッコミ所が多過ぎて困るくらいです。
しかし、フィクションにおいて科学考証はあまり重要ではありません。
厳密な科学考証を求めれば、ワープも時間旅行も不可となり、SF作家達は失業してしまいます。
脳内シミュレーションが現実に反映される設定も
フィクションでは何ら問題がありません。

問題は説明の整合性がないことです。
チサトが鳴海にΨの原理を説明するシーンでは、明言はしていないものの、
A世界の方が現世界よりも優先順位の高い現実であることを前提としています。
それなのに、後の説明ではA世界が脳内シミュレーションになっています。
それでは、チサトが鳴海に説明したことが嘘だったことになります。
嘘の説明をすることや、原理の説明できない現象があることは許容範囲ですが、
その場合は、嘘をつく行為や内容に必然性が必要だし、
原理の説明できないことも誤摩化してはいけません。
しかし、Ψの原理説明では、原理の説明できないことを誤摩化すためだけに、
嘘の説明が用いられたことになり、それは大きな欠陥となります。
2008-05-06 Tue 23:58 | URL | ay #mQop/nM.[ 編集]
>ayさん

度々ありがとうございます。

ただ、やはり私にはよく分かりませんでした。頭の回転が悪いのでしょうかね…。理解力が無く申し訳ないです。さらに↓のコメントもおそらく的を射ないものかと思います。あらかじめ、ごめんなさい。

まず、因果律を仮定すれば未来の行動は過去によって決まる事になりますが、作中では明らかに未来の行動が過去に影響を及ぼしているように思います。だって、あの語りかけがなければマイナはあの時点から希望を持って生きることもなかった(かもしれない)わけで、警察署へ行って練丸と出会う事もなかったかもしれないわけですから。練丸と出会わないとなると、それから先の歴史が進まないわけで、となると語りかける事象自体が起こらない事に。上記が偶然によって発生する事もそれは当然考えられるわけですが、そうするとその後のマイナの原動が意味をなさなくなりますし、矛盾が生じます。そこで、私は因果律が破綻しているのではないかと感じたわけですが…。

ただ、実質これは未来から過去への干渉というよりは、異なる世界間の干渉であるといった方が適切なのかなとも思います。したがって、観測地点である「現在」が異なるので、未来から過去へは干渉していない、と。もしくは、過去の世界は脳内シミュレーションによって発生した擬似的過去に過ぎないので、結局現在から現在に干渉しているだけとも言えるのでしょうか。でもそれだと、世界間の統合現象(歴史の上書き)の説明がつかないような気がするので、おかしいですね。ただ一人の人間の脳内で起こった事だけで、世界全体が激変するというのはどう考えても説明がつきません。あ、でも、そもそも観測している世界というのが観測者に依存する唯一無二のモノであるという前提に立った場合には、それも可能かもしれませんが。その場合、世界がどう変わったとしても、因果律の問題からは解放される気がします。

ご指摘の「未来予知」の部分は、確かに未来が過去に影響をお呼びしている部分ですが、これ自体は歴史を改変していませんね。それは分かります。

次に、鶏か卵かの話です。コメントを拝見させていただいて、非常に興味深く感じました。そこで、ご教示いただきたいのですが、今回の作品の場合は(普遍的に実在する)時間軸は一つと見なすべきなんですよね?もう一つ(A世界)は擬似的に思考の中で作り出されたモノであって、その時間軸は現実世界の時間軸とは同列にはならないということでよろしいでしょうか。となると、その架空の時間軸が一人の頭の中で生まれているという事になって、それが登場人物間で共有されている事がどうしても納得できないのです。何故一人の頭の中で考えている事が、他者によって観測可能になるのか、と言った点です。そう言った意味で、私は「A世界」を単なる思考の範囲に留まらない存在と認識していましたが、それは違うのでしょうか。

他者から観測可能な(部分的にでも)開かれた世界であれば、その時間軸は架空であるとは片付けられないものな気がするのです。そしてそれが他者に影響を及ぼす可能性がある以上、それはパラドックスを生む原因となるのではないのでしょうか。

結局思考は思考であると捉えないといけないでしょうかねぇ…。それでは片付けられない事が山ほどあるように思えるのですが…。

毎度毎度、無知なために的確なお返事ができなくて申し訳ありません。ご気分悪くされたかもしれませんが、他意はございませんので、どうかお許しいただければと思います。
2008-05-05 Mon 22:32 | URL | HIDigger #0j6G4aFc[ 編集]
因果律が破綻するのはΨ能力によるものであって、
これは過去の行動が未来に影響を及ぼしているのであって、
未来の行動が過去に影響を及ぼすことはありません。
(見方によっては現在が現在に影響を及ぼしているが時間は遡らない)

未来の行動が過去に影響を及ぼすのは「未来予知」に関する部分です。
しかし、この「未来予知」によって歴史が変わった描写はありません。

卵が先か鶏が先か、という疑問が生じるような
卵と鶏が交互に生じる現象が発生するためには、
実際の時間の流れとは別のもうひとつに時間軸が必要になります。
もうひとつに時間軸は実在しない架空の時間軸なので、
卵と鶏が交互に生じる現象は人の思考の中にのみ存在する架空の存在です。
そして、Ever17でも12RIVENでも、卵と鶏のどちらかしか描写されていません。
よって、卵が先か鶏が先か、という疑問は生じ得ないはずです。
詳しくは以下に説明してあります。

ttp://infinity.squares.net/index.cgi/%CF%C0%CD%FD%C5%AA%B4%D6%B0%E3%A4%A4%A4%CE%BC%C2%CE%E3part2
2008-05-05 Mon 15:31 | URL | ay #mQop/nM.[ 編集]
>ayさん

ご意見ご指摘、ありがとうございます。

タイムパラドックスに関してですが、確かに仰る事はご尤もだと思います。
ただ、今回の作品はEver17とは根本的に違っている気がするのです。

Ever17の場合は、第三視点という概念を登場させる事で「錯覚」させているわけで、
実際に歴史を変えたり、というかそれ以前に時間軸を移動・跳躍している事が
ほとんどありませんので整合性がとれており、納得できます。

ただ、今作では実際に未来の行動が過去に影響を及ぼしているわけで、
これはご指摘のように因果律が破綻している事を示しています。
加えて、その未来からの過去への干渉が当事者間で行われているので、ん?となったわけです。
そしてそれが、前提としてすでに成立していたのがさらに疑問を呼んだというか。
つまり、過去に跳ぼうと決めたり、実際に過去に跳ぶ以前の段階(スタート時)で、
すでに歴史は過去へ干渉された状態でスタートしているわけですよね。
そうなると、その初期状態はどうやって作られたのかという疑問が…。
卵が先か鶏が先か、に近いのかな。ん~、うまく説明できません。

いずれにしても、確かにタイムパラドックスではないといわれればそうかもしれません。
ご指摘ありがとうございました。

# そういえば物語そのものがループして、無限に発散している可能性もあるんですよね…
2008-05-04 Sun 18:11 | URL | HIDigger #0j6G4aFc[ 編集]
12RIVENには致命的な矛盾点が多々ありましたが、
タイムパラドックスだけは発生していないと思います。
Ψを使って因果律を破綻させた描写はありますが歴史を変えた描写はありません。
Ever17からの伝統である歴史固定の設定が踏襲されているようです。

Ψについては、細かく原理を決め過ぎている割に、
その原理と各種現象の整合性が取れるかの検証が疎かになっているように思います。

絵についてはあまり拘らない方ですが、
ギミックと絵が連動してないのはやはり致命的でしょう。
2008-04-29 Tue 00:23 | URL | ay #mQop/nM.[ 編集]

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